2001,11,12 yamaguchi y

テロとインターネット

参考  「テロとインターネットシンポジウムイスラエルで開催」 http://www.hotwired.co.jp/news/news/20010116205.html

「政治的ハッキングの黄金時代」 http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/1373.html

今回私は、テロとインターネットの関係について考えてみようと思いました。直接、アメリカで起きた同時多発テロとは関係ないかもしれませんが、興味深いと思ったので取り上げてみました。

 

政治的ハッキング

政治的ハッキングとは、一種の電子的な市民的講義で、活動家たちは政府や企業のコンピュータシステムに侵入したり、講義したりすると言う直接的な行動です。一種の情報戦争で、このような活動は「ハックティヴィズム」と呼ばれています。過激派グループによるウェブ上の活動は、現実の紛争の代替として行なわれるだけではなく、その活動によって、今まで可能だったものよりもはるかに大きな規模の、同志のコミュニティーが作られていっているそうです。ネットの使用によって、これらの団体は、自分たちと主流派の間にある協会を、戦略的にあいまいにしたり新たに定義することが可能であり、そして自分たちと政治的暴力行為の境界をも、あいまいにしたり新たに定義したりできるとのこと。ネット上の活動ではあるけれど、現実の生活に影響を与えるものだと思われます。

 

中東のサイバー戦争

参考によると-----イスラエルの複数の大学でテロとインターネットについて講義しているリモル・ヤギル氏は、「イスラム世界は非常に早い時期に、(インターネットの)重要性を理解した」と語った。「彼らはオンラインの聖戦、すなわち『e-ジハード』という新たな戦略を採用した。彼らはインターネット上でイスラムのコミュニティーを作った……インターネットは、たとえばアフガニスタンのイスラム教徒を、アルジェリアやイスラエルで起きていることに結び付けている」

イスラエル人対パレスチナ/アラブ人のハックティビズムは、2000年10月に始まり、それ以来非常に活発に活動しているようです。

 

また、2000年11月1には反米感情を感じさせる、事件が起きていました。パキスタンの複数のクラッカーがアメリカの親イスラエル圧力団体のウェブサイトを攻撃し、クレジットカード番号や会員記録などを盗み出しました。犯行を行ったグループは。「今回のハッキングは、野蛮なイスラエル兵によるパレスチナでの残虐行為と、彼らに対する米国政府の継続的支持に抗議するためのものだ。今回は、パレスチナにおけるイスラエルの残虐行為について記事を書いたり写真を掲載したりするのではなく、このウェブサイトから得た電子メールやコメントを掲載することにした」と記していたようです。ここから、当時反米感情が強まってきた、背景が感じられます。

 

参考によると------地上での暴力行為がやむかどうかに関する予測と同じように、サイバー戦争に関する見通しも暗い。「この地域での政治的緊張が高まるにつれ、サイバー紛争も激化するだろう」とアイディフェンス社のレポートは述べる。「サイバー活動に対する支持は、他の名だたるイスラム教の団体の間にも広がるだろう。これらの団体の多くはインターネット上で強力な存在感を持っている」

 「両陣営の攻撃者がこれから複雑な活動を準備し、それを実行に移すことにより、攻撃はさらに高度なものになっていくと予想される。両者がウイルスや『トロイの木馬』型プログラムを使えば、彼らが意図した標的以外の範囲にまで感染が広がるだろう。このようなサイバー攻撃はおそらく、インターネット全体に拡大し、世界中のシステムに感染するだろう」

 

感じたこと

私は今まで、中東の問題とインターネットを結び付けて考えてみたことなどなかったのですが、今回これを書いたことによって、地上と同じようにネット上でも戦争がおきているのだということをはじめて感じました。そして、改めてインターネットと言うものの威力を感じた気がします。私は、インターネットに関してたいした知識がないので、詳しいことは分かりませんが、このようなハックティビズムは、何かしらネット上だけでなく少しではあっても現実の活動に影響を与えるのではないかと思います。そして、インターネットと言うものは、いい意味でも悪い意味でも新しい人のまとまり、団体を作っていくものなのだと思いました。

それから、サイバー戦争の終結の方法として、国際的な取り締まり組織などが考えられているようですが、私はそのような組織ができてもなかなか解決される問題ではないのではないかと思います。もちろん取り締まることは大切ですが、インターネット上の問題であるとするとなかなか取り締まるのも大変だと思います。また、これから同時多発テロの影響もあって、さらにサイバー戦争は激しくなっていくのではないかと思われます。サイバー戦争の終結には、やはりそのきっかけとなっている、根本的な問題が解決されない限り至らないと思います。